2024/08/03
木の家の建築を検討している皆様は、地震に強い家を建てたいと考えているのではないでしょうか。
木造住宅は鉄骨造に比べて地震に強いと言われていますが、法律で定められている耐震基準はあくまで最低限の基準です。
地震による建物の損傷や財産の保護までを考慮すると、耐震だけでは不十分なのです。
この記事では、木造住宅の地震対策として「耐震」「免震」「制震」の3つの方法をそれぞれ詳しく解説することで、それぞれのメリット・デメリットを理解し、最適な地震対策を選択できるようになることを目指します。
□木の家地震対策は「耐震」だけでは不十分?
木造住宅は、鉄骨造や鉄筋コンクリート造に比べて地震に強いと思われがちです。
しかし、地震に強い家を建てるためには、耐震基準を満たすだけでなく、さらに一歩踏み込んだ対策が必要となります。
1:耐震基準はあくまで最低限の基準
耐震基準は、建築基準法で定められており、1923年の関東大震災クラスの地震に耐えられる建物の強さを最低限の基準としています。
しかし、近年では想定をはるかに超える地震が発生しており、耐震基準だけでは十分とは言えない状況です。
2:耐震だけでは建物の損傷や財産の保護は難しい
耐震基準を満たす家は、倒壊のリスクは低くなりますが、地震による建物の損傷や家具の転倒、そして大切な財産を守ることはできません。
3:耐震以外の対策も検討することが重要
地震に強い家を建てるためには、耐震基準を満たすことはもちろんのこと、さらに「免震」や「制震」などの対策を検討することが重要となります。
□地震に強い家を実現するための3つの方法
木造住宅の地震対策には、「耐震」「免震」「制震」の3つの方法があります。
それぞれの方法の特徴やメリット・デメリットを理解した上で、最適な方法を選択することが重要です。
*耐震
「耐震」とは、建物の強度を高め、地震の力を逃がすことで被害を最小限に抑える方法です。
柱や梁を太くしたり、筋交いを増やしたりすることで、建物の強度を高めます。
1:メリット
・他の方法と比べてコストが比較的安い
・既存の住宅にも後から導入しやすい
・工法が確立されており、信頼性が高い
2:デメリット
・地震のエネルギーをすべて吸収するわけではないため、建物の損傷は避けられない可能性がある
・大きな地震では、耐震性能が不足する可能性がある
*免震
「免震」とは、建物と地面の間に免震層を設置することで、地震の揺れを建物に伝えないようにする方法です。
免震層には、ゴムや鋼製のベアリングなどが使用されます。
1:メリット
・地震による建物の損傷を大幅に軽減できる
・家具の転倒や落下を防ぐ効果が高い
・人命を守る効果が高い
2:デメリット
・コストが高い
・建物の周囲にスペースが必要
・メンテナンスが必要
*制震
「制震」とは、建物に制震ダンパーを設置することで、地震の揺れを吸収し、建物の揺れを抑える方法です。
制震ダンパーには、オイルダンパーや粘性ダンパーなどがあります。
1:メリット
・耐震構造と比べて、地震時の揺れを大幅に抑制できる
・建物の損傷を軽減できる
・コストが免震構造よりも安い
2:デメリット
・耐震構造に比べて、施工が複雑
・メンテナンスが必要
・大きな地震では効果が限定的になる可能性がある
□まとめ
木造住宅の地震対策には、「耐震」「免震」「制震」の3つの方法があります。
それぞれの方法には、メリットとデメリットがあるため、自分の家の構造や予算、そして地震リスクなどを考慮して、最適な方法を選択することが重要です。
耐震は、コストを抑え、既存の住宅にも導入しやすい方法ですが、地震のエネルギーをすべて吸収するわけではありません。
免震は、地震による建物の損傷を大幅に軽減できる方法ですが、コストが高く、スペースが必要となります。
制震は、耐震構造よりも揺れを抑える効果が高いですが、施工が複雑で、メンテナンスが必要となります。
地震に強い家を建てるためには、それぞれの方法の特徴を理解し、自分のニーズに合った方法を選択することが大切です。